全編通じて、とても手間暇がかかっている印象なのに、その主張がとてもおくゆかしく地味に感じられた。なぜこのようなスタイルの作画をしたのだろう？その理由にさえも、とても作品は寡黙で、よくわからなくて、なんだかわくわくした。

自然に曲がりくねったでこぼこ（！）道を、微妙に揺れながら走って行くフィアット（？）。紅花を千切る時の、ぶちっと言う感じ。実に綿密な取材をした事を感じさせる、作業行程の表現。雨が降り出し、紅だんごを慌てて持ち上げ、避難させる人の、中腰の動きの自然さ。

すごいなーすごいなー。アニメって、ここまで動きを表現出来るんだ。改めて感動させてもらいました。

一番びっくりしたのは、車に乗っている時の窓の外。何層にも重なった遠景と近景のそれぞれが、微妙に移動速度を変えながら、延々と流れて行く。

ＣＧか？ＣＧなのかな？一体どうやったらあんな事が出来るのかな？

高畑監督って、なんだかオーソンウェルズみたいかも。いや、間違った認識かもしれないけど（照）。