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[コメント] シカゴ(2002/米)

「虚飾の街・シカゴ」が出しきれていない印象。ミュージカルとドラマのバランスが微妙。
ざいあす

ドラマの方でゼルウィガーの演技が冴え渡るほど、ミュージカル部分で築き上げた「シカゴ・スタイル」が削り取られるような気がした。もちろんドラマも真っ向シリアスではなく、充分にケ・セラ・セラなトーンはあるのだが、バランス的にはもっとミュージカルが欲しかった。

オープニングのゼタ・ジョーンズが素晴らしく、歌詞にも出てくるようにボブ・フォッシーの『オール・ザット・ジャズ』のまんまな感じで期待が膨らむが、以降にこれを凌ぐシークエンスがなかった。全員吹き替え無しらしいが、やはり細かいカット割りとセットの豪華さでもたせている。ギアのタップも法廷場面のフラッシュバックだし、音は当てているのではないか?

ゼルウィガーは、ドラマ演技は申し分ない上に歌も踊りも無難にこなしているが、動きにゼタ・ジョーンズほどのメリハリがなく、止めたときの「キメ」に欠ける。特訓のあとが伺えるシェイプアップぶりだが、「ブリジット・ジョーンズ・・」のときはやはり寄せて上げていたと確信させるほど、胸の開いたドレスが痛々しい。

豪華な役者陣でこれだけのミュージカル映画が作れたことは意義があるのかもしれないが、夢と虚飾の街シカゴを浮き出させるためにも、もっと歌と踊りが見たかった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)のこのこ けにろん[*]

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