しかし俺としては気に入らない所あり。主人公はただの臆病者というより平和主義者だろう(寧ろ剛胆な)。彼は戦いを望まず、それ故に他のバイキングには見つけられなかったものを得る訳で、その「特異者が道を作る」という点は面白いのだが、主人公のブレの少なさが「成長譚」としての感動を弱めている。

アメリカ製アニメ故致し方ないが、主人公から本当の恐怖や孤独を感じられない(孤立は或る程度感じたが)。やはり子供が"サンダードーム"に入れられてケロリとしている時点で、最後の主人公の身体喪失も却ってただのグロテスクになってしまう危険があるだろう。

最後のクライマックスを前に仲間が一気に結束する安直さも何だか。巨神兵が潰れた途端に改心して帰ってしまう誰かのような。葛藤は或る程度抱えておくべきだろう。