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[コメント] ヒックとドラゴン(2010/米)

「ああ、アニメーションの魅力のひとつはやっぱり爽快な飛行シーンだよな」と再確認。昔の宮崎アニメを思い出した。ただ、欧米人が作るこの手のストーリーの「自然の都合のよさ」にちょっとだけひっかかったり。
イリューダ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「ドラゴンは実は悪い親玉に貢物を持っていくためだけに人家を襲っていたんであって、その悪玉さえ倒せば人間と平和に共存可能である。」

物語をハッピーエンドにもっていくためには完璧な設定で、無論ストーリーテリングとしてはそれで正しいんだけど、そんな都合のよい生態系ってあるだろうか。劇中でそれをハチの巣にたとえていたが、べつに働きバチたちは悪い女王バチに脅されて働かされているわけではないし、女王バチを殺せば働きバチたちも全滅するだろう。

それに今まで何百人もの仲間を殺されてきたバイキングが、「実はドラゴンは悪くありませんでした」ということになったからといって、すぐに家畜化しようとするだろうか。どうも人間が今まで敵対していた自然を、あまりにも簡単に飼いならしすぎであるように思う。

無論この作品はリアルに自然と人間の関係を考えるような映画ではない。それはそうなんだけど、「いや、これはそういう映画じゃないんだから…」と心の中でエクスキューズをつけなくてはならないこと自体が、わたしにとっては残念なことに思える。全体としては決して子供向けの幼稚な映画ではなく、大人も楽しめる上質のエンタテインメントであっただけに。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)Orpheus 死ぬまでシネマ[*]

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