[コメント] 何がジェーンに起こったか?(1962/米)
ベティ・デイビスの演技を見れば誰も言葉をはさむことなどできない。
『イヴの総て』に続いてジョーン・クロフォードと共演したベティ・デイビスの演技には驚かされるばかりで、この執念の演技、恥も外聞もない演技は誰にも真似できるものではない。
ジョーン・クロフォードもMGMの大スターでわがまま女優。かつてグレダ・ガルボとの共演で火花を散らしたものだが。ここでは完全にベティの演技に飲み込まれ、対抗することすらできない。
ベティ・デイヴィスのわがままぶりも有名だが、その我の強さと押しの強さで長年君臨できた人。クロフォードには”恥も外聞も…”という姿勢はない。この二人をよくぞ共演させることができた。そのことが奇跡と呼べる。
最後、告白する場面でもその本来なら告白するブランチ(クロフォード)に感情移入するべきところだが、ジェーン(デイヴィス)の狂気、その狂ってしまった振る舞い、周囲の人、人、人、そして狂気の幼い演技、恥も外聞もない演技に圧倒されてかすんでしまう。
晩年『八月の鯨』でのリリアン・ギッシュとの共演にしても、恥も外聞もない。プロの中のプロ。そこには優しさとか包容力とかはなく、一切を汲みしない、自己崇高の演技にこだわる彼女の生き様が常に描写されていて見事。感服するしかないのである。
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