[コメント] 絞殺魔(1968/米)
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これはたまたまなんでしょうか?
実はこの作品を見る前にリチャード・ギア主演の『真実の行方』という作品を見て衝撃を受けたわけです。もしこれが本当にあったお話だとすると、被害者の関係者や遺族はいたたまれないなと思いました。
そうしたらこの作品です。
たまたまTSUTAYAで埋もれた名作特集があって何本か借りて見ているんですが、この作品の後ブライアン・デ・パルマ監督の『レイジング・ケイン』という作品も同じ傾向の作品です。
要するに「多重人格」というやつですね。
私はこの映画の主演であるトニー・カーティスという俳優はもっと明るい喜劇のような作品にばかり出ている俳優だと思っていましたが、この作品では堂々とヘンリー・フォンダとバトルしますね。すごいです。
むしろヘンリー・フォンダの役柄の方がたじたじのような感じがしました。
もともと犯罪に「多重人格」を持ってくるイメージは『ジキルとハイド』のような作品から派生していると思いますが、この映画の怖いところは実話であることです。実話であって起訴中でありながら映画化するという暴挙に出ておりまして、そのあたりにチャレンジ精神を感じますね。
でもまあ、監督のリチャード・フライシャーは二流ですね。
この後黒澤明監督が途中降板した『トラ・トラ・トラ』を撮影しますが、今一歩押し出すことろが足りません。
それでもこの『絞殺魔』では、容疑者の心理を巧みに接近して表現できている面も垣間見えました。
なかなか面白かったですね。
2010/11/26 自宅
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