ヒッチコック作品の中でも最高峰に位置する映画です。

その表現手法を言うまでもありませんが、やはりラストの部分はこの映画を高い位置に押し上げる結果となっています。

二面性とか多重人格とかという表現は色々な映画で施されていますが、この映画がかなり初期の段階で強い印象を与えています。

有名なバスルームのシーンは強烈です。表現方法を極めたと言えるでしょう。

ヒッチコックは言います。「爆弾を見せて爆発させないこと。」昨今のＶＳＸを駆使した何でもリアルに見せますという嗜好とは正反対の位置に存在するヒッチコックの考えを一言で示すセリフ。

映画の表現は次第にリアルさを求めて動いているようですが、見せない怖さ、考える面白さという点では、歴史に残るヒッチコック作品と言えるでしょう。