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[コメント] どですかでん(1970/日)

なにもかもがどぎつい映画。
ゆーこ and One thing

 「初めてのカラー」ということで監督もだいぶ力が入ったんでしょうか。原色が溢れかえる画面を見ていると、だんだん目が痛くなります。たまに監督が残したコンテ絵を見ることがありますけど、それを見た時と同じ印象を受けました。このカラーで『どん底』なんて演出されたらと思うとぞっとします。

 登場する人物の生活描写も、なんだかげんなりするエピソードが多めで疲れます。島さん(伴淳三郎)と良さん(三波伸介)のエピソードには「愛」が感じられたのに、乞食親子のオチには愕然としました。「君ぃ、プールが出来たよ!」って…。ここに至ってそんなセリフが飛び出すとは完全な予想外でした。

 今までの作品で監督が登場人物に注いできた目線とは明らかに質が違う感じがしました。『トラ・トラ・トラ!』騒動でやっぱり疲れてたのかなあ。この後自殺未遂するし。

 本当に山本周五郎の原作は、こんな突き放したような視点で語られているのか。「いや、そんなはずない」と思いながら画面を見ていました。

 この題材を実写でやられると、悲惨さばかりが強調されすぎてきついです。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)水那岐[*] 直人[*]

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