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[コメント] タルチュフ(1926/独)

外側の映画のなかで別の内側の映画が上映される。外は強烈な面相のローザ・ヴァレッティや仕掛け人が変装したり観客に語りかけるアップが交錯する「顔面」の映画。中は豪奢な屋敷を怪しげなエミール・ヤニングスと住人らが右往左往する「空間」の映画だ。
ぽんしゅう

何でこんなに、いささか理屈っぽい(計算づく)の仕掛けを施したのだろう。

唐突に「意味不明なエピローグ」が付け加えられていた『最後の人』を観たときにも思ったのですが、F・W・ムルナウという映画作家は、あまり観客を信頼しておらず、映像が持つ「力」とともに、その洗脳性の恐さを危惧していたのではないだろうか。だからこの映画(=外の映画)は、ちょっとお節介で説教臭く感じるのかもしれない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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