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[コメント] SKIN/スキン(2019/米)

奴らの差別をやめさるには、殺すか、終身刑にするか、改心させるしかない。反ヘイト団体をのダリル(マイク・コルター)が語るそんな覚悟にはっとさせらる。差別を根絶するなどという理想ではなく、せめて差別を封印すること。すべて人の覚悟の問題なのだ。
ぽんしゅう

本作のパイロット版『SKIN 短編』では差別の「負の教育」の連鎖の恐ろしさが描かれていた。この長編「SKIN/スキン」は、その連鎖を断ち切る「正の教育」の苦悩を描いている。

「負の教育」は刷り込みによって、「正の教育」は気づきによって成立する。人を、差別する人へと導くにせよ、差別に疑問をもつ人へと導くにせよ、どちらも第三者の恣意的な施しではなく、そこに費やされた「時間」によってしか(なかば本人も自覚せぬうちに)成果をみいでせないという困難に、人の弱さを痛感させられる。可能なら両方の作品を観て欲しい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)プロキオン14[*] jollyjoker

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