[コメント] アネット(2021/仏=独=ベルギー=日)
男は大衆が死に抱く潜在的恐怖を挑発と空疎な笑いで武装解除させ、女は大衆の代わりに悲劇を背負い死を美化することで喝采を浴びる。死とは成長の帰結。大衆の期待に消費され成長をやめた二人が、成長しないものの象徴としての「人形」をこの世に生み出したのは必然。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この「お伽噺」は、ヘンリー(アダム・ドライバー)やアン(マリオン・コティヤール)たちが、録音スタジオを飛び出し夜の街(大衆)のなかへと繰り出し始まる。そして彼らは大衆のなかに埋没し、それぞれの家路についた人々の行進とともに幕を閉じる。
アネット(デヴィン・マクダウェル)の決意もまた、殺した者と殺された者の“死”を受け入れ成長を取り戻し人々(大衆)のなかへ帰ることだった。彼女に投影された決意はレオス・カラックス自身の心境なのだろうか。
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