普通に微笑ましくて、普通に愛しい三人。最初は「映画」なんだからこんな特殊なお話もアリだろうと思って見ていました。現に私は秋野陽子演じる兄嫁の存在が非常に気に食わなかったんです。私は経験した者にしか分からない事を偉そうに語られるのが嫌いだし、それを今から経験しようとしている者に対して「ダメだ」とか「無理だ」とか言う人も嫌いだから。

もう一つ。私は同性愛に対して偏見はないつもり。多分女性は同性愛は受け入れやすい気がします。根拠も何もないんだけれど。だから同性愛についての嫌悪感もない。三人の、徐々に絡み合っていく関係も嫌いじゃない。主人公の朝子の気持ちも汲み取れる。

それなのに、何故か心から優しく笑えませんでした。ラストも非常に好きなんだけど。けれども…。

なんなんでしょうね、この刹那主義って。現代を象徴しているようなこの刹那主義。今がよければ…とか、今が楽しければ…とか、後先考えず突っ走る事もいいかも知れないんだけれど。やっぱり私には少し抵抗があったのかな。