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[コメント] めぐりあう時間たち(2002/米)

共感こそしなかったけれど、哀しさで切ないのと辛いのとで、観ていて涙が出っ放し。哀しくて哀しくて仕方が無くて本当にどうしようもなかった。絶望的なのに、拒否したいと思えないのは何故だろうか。それどころか、とても愛しい映画だった。
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**ネタバレ注意**
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 主な登場人物は誰一人幸せそうな人間は出てこない。愛し愛されることは素晴らしいことのはずなのに、お互いの歯車が噛み合っていない。愛せない。愛されない。また愛し合い幸せに見える者(キティ)でさえも、突然の不幸に襲われてしまう。人生ってなんて困難なんだろう。

 印象深い台詞はメリル・ストリープジェフ・ダニエルズ(ルイス)が交わす会話の「stuck」(字幕は忘れてしまったけれど、「逃れられなくなってしまった」という感じの字幕)。それを聞いていて、またもや人生ってものが困難で奥深いという事を思い出させられてしまった・・。

 登場人物の中でも特にわたしが一番哀しさを感じたのはエド・ハリス演じるリチャード。エド・ハリスの演技の哀しさったら・・もう胸が締め付けられる想いが。哀しくて、そしてとても彼を愛しいと感じてしまった。それからジュリアン・ムーアの、表情だけで彼女の心が伝わってくるような演技も本当に素晴らしかった!彼女の人生もまたstuckで形容される様な人生だったけれど、彼女は逃れるために選択し、そしてその重い代償を背負って生きて行かなくてはならない。やっぱり人生ってなんて困難なんだろう・・。

 こんなに絶望的な話にもかかわらず、観た後に残るのは絶望感では無いのが不思議でならないです。とても哀しいのだけれど・・・不思議。

 ところでニコール・キッドマンが作り物の鼻を付けていた事を後から知ってビックリ!でした。確かに別人の様でした。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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