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[コメント] ライフ・イズ・ビューティフル(1997/伊)

愛あるつじつま合わせ。泣いて笑って、これぞ映画。
ebi

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 メッセージ重視か、娯楽か、ハッキリ! がモットーの僕。

 メッセージ重視として捕らえた人もいるみたいだけど、僕は娯楽と捕らえた。もちろん題材が題材だけに(後半)、ただの娯楽としてくくる事はできないが、ここから“反戦”だとか“人種差別”だとかをメッセージとして受け取るのは逆に辛い。実際はもっと酷なのだから。そういう映画ならゴマンとあるし、ドキュメントでも見ればいい。

 もし、メッセージとして受けてしまうとしたらグイドの愉しさ・ジョズエのかわいさと後半の状況との対比によってメッセージたる部分が浮き出ているからなのだと思う。

 それが作り手の狙いなら僕は見事にスカンだがそれはそれ。この映画に限り僕にとって収容所は一家を襲う“苦難”という位置付けでしかなく、それを愛あるウソで、どう乗り越えるかって事に楽しみを感じた。実際、グイドは収容所の生活そのものよりもジョズエにゲームだと信じ込ませる事の方に苦心しているのだから。

 何よりこの映画には愛すべきシーンが沢山ある。“ネタばれ”だからこのコメントを読んでいる人はもう見た人だろう。思い出してみよう。1秒前まで話してたのにもう眠ってるベルッチョ。雨の夜のマリア様へのお願い。一家で自転車通勤。戸棚から出てきたチビッコが両手を広げて“ボンジョルノお姫様!”。まさにライフ・イズ・ビューティフル!

 最後に連行される時、グイドは笑っていた。もうジョズエからは見えないのに笑っていた。死のその瞬間まで彼は満たされていた。悲劇と引き換えに辿り着いたジョズエの最高の笑顔。沢山笑って、沢山泣いた。映画だ、娯楽だ。採点+995点!!!

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)シーチキン[*] ことは[*] フランチェスコ[*]

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