[コメント] まぼろしの市街戦(1967/仏=伊)
我々もどちらかの世界を選択できるのだ。
彼等はけっして外の世界へ出ようとはしなかった。そして町の住人たちが戻ってくると、遊びの時間は終わったのだとばかりに衣装を脱ぎ捨て内の世界へと戻っていく。
彼等にとって外の世界こそ狂気の世界。意味もなく人と人とが殺し合いをする狂気の世界。
その狂った世界では責任やら義務やら命令やらが課せられる。そんな中で自身を正しく保ち続ける努力をしなければならないという緊張感。彼等はそんなことは放棄し、安寧な世界へと逃避する。
あの伝書鳩係の兵は安寧が支配する町で、次第にその魔力に犯されていく。すべてを放棄した先にある魅力ある世界=病院。ラストで公爵が言う。(病院の中の)この窓から眺めているだけで充分だ・・と。
彼等は狂っていたのだろうか?それとも狂ったフリをしているだけなのだろうか?
彼等は逃避した者たちなのか?それとも神の目線を持った者たちだったのか?
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