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[コメント] 花と蛇(2003/日)

堕ちていく令夫人と芸能界での杉本彩の立場が被さる。ただ体当たり演技と開き直った演技は違うと思うが・・・実生活で捨てられた旦那の胸中を想うに涙を禁じえない。
sawa:38

これほど金の掛かったロマンポルノはかつてあっただろうか?

団鬼六先生の精神世界てんこ盛りのショーだった。花魁や女博徒やら、先生の得意とする豪華な、ただし時代がかった「責め」はレンタルビデオ屋のSMコーナーの充実振りからは一歩はずれている。

射精を目的とするAV的なSMとは一線を画し、「縄」をある種の様式美にまで引き上げた先生の面目躍如だったに違いない。

だが、これほど金の掛かったロマンポルノを創る理由がわからない。マニアな巨匠石井隆が如何に工夫を仕掛けようともポルノはポルノ。堕ちていく女を描かせたら天下一品なのだろうが、本作のポイントは堕ちた女の心の奥で「おんな」の部分が目覚めるところにあるはずである。しかし、ネタ的においし過ぎた杉本彩という素材に頼り切ってしまい、肝心のポイント(心理描写)はスルーされていたように思う。

「おんな」の「心」を描かない作品はただの「ポルノ」と呼ばれる。百歩譲って「ロマンポルノ」だとしても、これほど金の掛かったロマンポルノを創る理由がわからない

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ピロちゃんきゅ〜[*] ホッチkiss[*]

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