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[コメント] 2012(2009/米)

見世物小屋としての映画及び映画館はこうあるべきなのだろう。
sawa:38

ストーリーなんてどうでも良い。本作を金払って観に行く客の大半はそんな事に期待してやいないはずだ。

TVで垂れ流される予告編の圧倒的な破滅の様、「9.11」の映像に恐怖でなく興奮を覚えた大衆は後ろめたさを感じることなく破滅の様を堪能できるのだ!

逃げ惑う人々が大量に押しつぶされ、宙に放り出され死んでいく。この様に自身の身を重ね恐怖する観客もいるだろう。だが、その狂ったような映像の連続はやがて快感になる。人間なら誰しもが内包するであろう究極のサディズムに興奮する。

私自身はその様を堪能するがだけの為に鑑賞に行った。この手の作品だけは大きなスクリーンで観なければならない。叶うなら360度のスクリーンと振動が連動する座席システムで「体感」したいと願う。つまりは「映画鑑賞」ではなく、「体感アトラクション」の部類かもしれないが・・

所詮映画館なんてモノは見世物小屋なんだ。恋愛映画で涙するのも良いが、それは家のDVDでも果たせる。見世物小屋として最も機能するのはこういう作品であることは間違っていない。

金を払ってでも観たいという映像を今回は観させてもらった。過去にもこういう映像を知っている。『スターウォーズ』や『ジェラシックパーク』だったりとその時代の人智を超えた映像に私は金を払って鑑賞に出かけたものだ。

但し、皆さん述べられているようにドラマ部分の底の浅さはレベルの低さに苦笑せざるを得ない。

その昔、今は亡きテアトル東京のスクリーンと座席が地繋がりになった最前席で観た『七人の侍』の雨中の決戦で撥ねる泥水が顔にかかる錯覚を覚え、暴れる馬の脚のアップに恐怖した。また『アラビアのロレンス』の圧倒的な砂漠の光景に絶句した。 これらは映画館で観て本当に良かったと心底思った。ドラマに映画館の機能をフルに付加させた典型事例だろう。

それらに較べればやはり本作はテーマパークのアトラクション程度でしかないのかもしれん・・・・・

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ダリア[*]

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