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[コメント] 泥の河(1981/日)

原作を読んだ時はなんとも思わなかったが映画を見るとこんなにいい作品だったのかと見直した。
TOMIMORI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作を読んだのが確か中学生ぐらいだっただろうか。 信雄は銀子のことが好きだったから船宿に通ったのだろうと勝手に解釈していたし、 戦争で生き残った者の思いや差別なんて 意識して読んでなかった。

加賀まりこの妖艶な美しさは確かに特筆ものだが、どんな女が出てくるのかワクワクしながら見てたら彼女が出てきた時に少しがっかりしたのも事実。自分にとってはテレビタレントのイメージが強すぎてそれほど好きな女優ではないのだ。 声だけの出演で姿を見せない方がミステリアスで面白いと思ったが、少年がそれなりの恋心を抱くためには一度部屋に上がらないとやはりダメなんだろう。

信雄役の子が涙を溢れさせてから流すシーンが素晴らしい。 この子はお祭りの時にカメラ目線をしちゃうぐらい危なっかしく、ややぎこちない演技をするのだが、あのシーンに限っては神がかっていた。あの年齢の子でやろうと思ってできる演技ではないと思う。他の子も自然な演技でよかった。

この作品はなんといっても田村高廣。こんな親父に自分もなりたいと思ったな。 ご本人も代表作と言ってるそうだ。ご冥福をお祈りします。

あと巡査役の蟹江敬三は蟹焼きと掛けているとしたらナイスセンス。なわけないか。

どうでもいいけど、初めて自分のお小遣いで買ったプラモデルがガンダムでもボトムズでもなく河合商会の風物詩シリーズ「船宿」だったのを思い出す。我ながらなんて渋いチョイス・・・。

(評価:★4)

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