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[コメント] 1リットルの涙(2004/日)

小綺麗にまとめた韓国映画『私の頭の中の消しゴム』と、病気を真正面から捉えた日本映画『1リットルの涙』を比較してみました。
アルシュ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私の頭の中の消しゴム』は演じるソン・イェジンが最後まで聡明な顔付きでした。認知症ならば目が死んでいるはずです。演技上目がギラギラしまくって違和感を覚えます。

韓国は障害者に対する社会的対応が相当遅れているそうです。なにせ、障害者の出てくる番組を流すとTV局に「気持ちの悪いモノを流すな!」と抗議も来るそうで、そういう意味を含めて、単にキレイな障害者モノを流したかった意図が見え隠れします。

1リットルの涙』では、亜也を演じた大西麻恵さんはまさに「脊髄小脳変性症」による障害を体を張って演じています。迫真の演技です。メイキングも観ましたが、驚くべきは養護学校からクランクインしている点。徐々に障害者になっていく演技なら納得も出来るのに、大西麻恵さんはランダムな障害度で演じています。(但し、眉毛は剃って欲しくなかったんですけど)

この辺が、日本と韓国との障害者に対するスタンスの違いが映画にも現れている様な気がしました。

さて、特に前半の高校の仲間やパン屋のおばちゃんとの別れ。先生がギブアップして両親に亜也の退学を促すシーンでは、特に大粒の涙を流させていただきました。「私がみんなに迷惑をかけていたんだね」・・・障害を持つ人ほど、心が綺麗なのですね。

この作品、こちらまで1リットルの涙を流しそうです。ハンカチではなくタオルをご用意下さい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)水那岐[*] セント[*]

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