列車が半分助かって、半分事故ったこと。 この半分というのが味噌である。

もし、列車が全部助かったらどうであろうか？　観客はただ「あ〜なんだ、結局無事だったのね。」ということで成り下がってしまう。

では、列車が全部落ちてしまったらどうであろうか？　これまで描いてきた伏線、そして乗客たちの奮戦はまったくパーになってしまう。

だから、半分落とす必要があった。これなら納得できる。列車が落ちるショックシーンは、<映像>として視覚を訴える。なにより興行面の<広告>としてショックシーンは必要不可欠だったのだ。