[コメント] 家路(2001/仏=ポルトガル)
オリヴェイラ監督もヴァランス役のミシェル・ピコリも素敵に老獪。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ヴァランス(ミシェル・ピコリ)がいつも行くカフェには彼の指定席があるんだけど、彼が帰った直後に来るフィガロ紙を読む男にとってもそれは指定席なのだ。ヴァランスが買い物をしたせいかいつもとは微妙に遅い時間にカフェに着いたんだろう、フィガロ紙の男が来たときにはまだヴァランスは「指定席」でくつろぎ中。それを見たフィガロ紙の男の憤慨加減と落ち着きなさが面白い。
車窓から見える観覧車の姿や移動しながら像を回りこんで映す構図も素敵だし、映画監督役のジョン・マルコビッチを映した長回しがすっごくいい。映画撮影のリハーサル中という設定で、演じている役者たちにはカメラを向けず(しかしセリフは聞こえている)、映画を撮っている監督(ジョン・マルコビッチ)にカメラを据えてその表情を映し出す。演じられてるものの出来を感じることができる、その豊かさ!
もうひとつ、この場面で唐突に終わるんだろうと予感させときながらのラストの長回しもすごい。
原題“Je rentre à la maison”がセリフとして出てきたのを知ってしまうと、題名を『家路』としたことに多少の違和感あり。
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