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[コメント] ラスト サムライ(2003/米=ニュージーランド=日)

そりゃもう、「ありえない!」と何百回突っ込めるのかだけを楽しみに観にいったワケだが、今回ばかりは、嬉しい返り討ち。「・・お見事・・ゲフッ」

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







徹底したモノヅクリの姿勢は、人種と誤解の壁を越え、日本人でもクロサワ以外が未だ成し得ていない「リアルな時代劇」を誕生させた。

衣装、美術、キャスティング、渡部謙、スバラシイ。 「本物」へのこだわりにハリウッド・マネーが加われば怖いものナシ。

あと、やはり際立つ照明の巧さ。 邦画全般の照明技術の低さがよくわかる。

これらの要素があまりにも水準高くて、久々の5点。

なんだコリャー、な部分も確かにいくつかある。

やっぱり音楽ハンス・ジマーは頂けない。 メロディ弱い、ハーモニー下手、ただ画に合わせてるだけ。

他にも、 「吉野の里」が熱帯植物だらけだったり、 夫を殺した仇が目の前にいるのに妙に普通な小雪だったり、 なぜか全員正座で礼!だったり・・・  侍が鉄砲に正面から立ち向かう「理由」もいまひとつ伝わらない。

・・映画として突っ込みたい部分はあるけど、 今まで「和風」の上っ面しか描いてこなかったハリウッド映画とは、 明らかに異質の出来上がりなのだ。

些細な綻びを補って余りある、生粋の映画魂を感じてしまった。

これが「黒船」となって日本の映画も変わればいいけど、 今のバジェット状況じゃ、志あっても実現は不可能なんだろうな・・

(評価:★5)

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