[コメント] 修羅雪姫(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まずこの作品、オープニングを見た瞬間に手を打った。こんな音楽を作る人間はたった一人しか知らない。川井憲次ただ一人。こりゃ、まさしく川井節じゃないか。こんな音楽を使うなんて、ツボを押さえてるじゃないか(単純に私が押井守ファンだからなんだが)。
いつもはきはきして、ややオタっぽい(失礼)釈由美子がどんな風に化けるか楽しみにしてたが、見事にああ言う寡黙な役をこなしていた。
ワイヤー・アクションもなかなかツボを押さえた作りで、見応えもある。特に最初の殺陣のシーンは構図が上手い。強さを表すために、単純に逃げまどう人間をばったばったとなぎ倒していくのではなく、ちゃんとそれなりに強面の人間を出し、そいつと対峙させておいて圧倒的な力でねじ伏せている。つかみとしては、本当に良くできた絵を撮ってくれた。
その後のストーリーに関しては、こう言う感じかな?無表情な雪の心が徐々に解きほぐされていき、少しずつ心を開いていく。その過程が結構良い。釈由美子にあまり喋らせなかったのも良し(声が若すぎるので、喋り方にギャップを感じてしまうので)。
キャラクターもよくこなれていると思う。“痛い”演技の描写もねっとりしていて良し。ちょっと嶋田久作だけが変に浮いてた感じだが、(この人、いつまで経っても役者として上手くならないな)それが彼の魅力って言えば魅力なんだろう。
ただ、何か観ていて思ったのだが、題材が古くないか?これって30年前の漫画でよくあったパターンだぞ。反政府組織と言い、アクション部分が森の中とか廃墟の中とかばっかりだと言い、ラストの変に虚しい終わり方と言い…
組織へのアンチテーゼを主眼とするってのはまさに'70年代の価値観。それで映画作られてもなあ…と思ってたら原作で小池一夫の名前を見て妙に納得。それに本当に30年前に一回作られてたのね。謎は解けたよ。
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