そりゃあさ、ネルソン・マンデラは英雄でしょうよ。ラグビーのＷ杯優勝が南アの白人と黒人をひとつにしたのも事実かもしれない。でもそれは、単に一時的な熱狂のなせる業であって、現在の南アはとてもとても、この映画が描いた理想の方向に向かってないじゃないか…初見時、普通に感動しながらもなんとなく抱いたのが上記のような感想。

間違ってたね。おいらもいつしかくだらないニヒリズムに囚われたオトナになっちまってた。

と、反省したのは宇多丸師匠の「シネマハスラー」における本作の批評を聞いたから。本作の描こうとしたものは単に南アにおける人種問題にとどまらず、表現としてもっと普遍的なものだったのは、言われてみれば明白なことでした。

と、いうわけで、本作を「よく出来てるけどちょっと理想論すぎね？」と感じた方は是非ポッドキャストで宇多丸師匠の批評を聞いてみてください。おいらの本作の評価は4点ですが、師匠の批評込みなら5点。いやーすげーわ。イーストウッドも宇多丸も。