[コメント] ブラックホーク・ダウン(2001/米)
「社会派戦争映画」とか「戦争の意味を問いかける映画」とか言ってる割に、観客を変な方へ誘導しようとしてくる。多分作ってる側に誘導してる意識はないのが余計性質悪い。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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社会派戦争映画、戦争の意味を問いかける映画を、やろうとしている(そしてやったつもりになっている)のは伝わってくる。
でも、私個人としては、「戦争の意味を問いかける」ということは、「自分が、ひとりの人間、ひとつの人生に向かって引き金を引くことで、解決する何かが存在するのだろうか?」という視点があってほしいのだ、どうしても。
この作品では、かなり早い段階でそれが否定され(ジョジュの逡巡に、「うだうだ考えるな、引き金を引け、仲間を助けろ」ときっちり言葉で答えが返ってくる)、自らの身を顧みず墜落仲間の救出に向かい民兵やたまに武器を所持してない民衆を撃ちまくる姿が英雄的行為として描かれ、ラスト作戦失敗と犠牲の空しさを表現したそばから、スローモーションで走るソマリア少年が「君たちは間違ってないよ。君たちこそアメリカンヒーローだよ(アメリカ男の価値観って、何につけヒーローになれるか否かで量られるようだ)」と言わんばかりのキラキラした笑顔で兵士たちを誘導していく。
なんか、頑張ってるのはわかるけど、いろいろと台無し。
そして、ユアン・マクレガーの存在が、更に台無し感に拍車をかける(おちゃらけアメリカンヘタレが、戦闘を通じておちゃらけアメリカンヒーローに変身してシアタージーロッソで僕と握手!的な非実在感)。この違和感は、単にユアンってイギリス人だったよね?だけではないと思うんだけど。
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