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[コメント] 酔いどれ天使(1948/日)

泥にまみれながらも生きていく人々。
あき♪

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







泥の様な水の中で生きる人々、しかしどれも人間らしい。

志村喬は泥から抜け出しても、その泥を見捨てきれない口の悪いオッサンとして。

三船は泥の中でしか生きられないが、それ自体に完璧には染まる事が出来ない、 真人間としても極道としても中途半端な伊達男として。

皆、生きていて良くも悪くも人間らしい。

そして三船が死ぬシーン、最も人が一人生きていたと言うのを感じさせる。

生きている者が死ぬ時は、苦悶の醜態を晒し、醜く這いまわり、汚らしく泥にまみれて死んで行くからだ。少し切ないシーンだけどね。

後、一瞬だけ、汚れた水の上を風がなでる様に水面上の波紋を爽やかになぞるシーンがあった。

コレも東京か、コレも人か、とも思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] 水那岐[*]

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