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[コメント] N.Y.式ハッピー・セラピー(2003/米)

同時期公開のニコルソン主演映画『恋愛適齢期』は、いい邦題をもらいましたね。かたや本作、邦題のセンスだけなら★1。(おわりに、世界妄想劇場あります)
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







途中までの、「これでもか!これでもか!」とたたみかける、コテコテのコメディは抜群。とにかく怪人ニコルソンはもちろん、キワモノ・ハレルソン、プッツン・タトゥーロたちがさすがの怪演。そのクセ者たちをひとりでさばくサンドラーは、やはりすごい。

ただ、クライマックスのヤンキース・スタジアムや、マリサ・トメイの「作戦」が、ちょっとシラケてしまい、なんともシマリのない結末になってしまった。特に裁判やスッチーとのやりとりもすべてヤラセだったってのは最悪。「終わりよければ、すべてよし」転じて「終わり悪けりゃ、すべてがドボン」。

あと、「巨根ネタ」が、作品の中で浮いていた。そこで下ネタは必要ない。

日本では全くウケないサンドラー映画。いつも「もっと拡大公開してくれたら」とおもうが、今作はそんな気も吹っ飛んでしまった。

・・・・・・そこで、またまた世界妄想劇場、プロキオン版の結末を大発表。(長いので、以下は興味ある人、結末に不満があった人だけ、お読みください)

・・・・・・ニコルソンに暴行を働いた罪で、彼とマリサに近づくことすら出来なくなったサンドラー。落ち込む彼は自暴自棄になりかけるが、そんな彼を助けたのはタトゥーロやガズマンらセラピー仲間だった。

タトゥーロに背中を押されて、まずは会社に向かった。イヤミな上司に正面からアタック。自分の成果をちゃんと正しく上司に認めさせ、昇進を勝ち取る。巨根男が怒ってサンドラーに殴りかかろうとするが、タトゥーロが頭突き一発KO勝ち!。「訴えてやるぅ!」という巨根男の前に、ポルノ女優コンビが颯爽と登場。「あらぁ?あなたの顔、たしかSMクラブで見たような・・・」「たしか強烈なMだったかしら?」と小声で耳打ちすると、彼はうろたえ、それ以上何もいえなくなってしまった。

サンドラーが家に帰ると、バスケ男がニコルソンとマリサの行き先を突き止めていた。二人はヤンキーススタジアムに向かったらしい。セラピー仲間たちは、みなニコルソンに不満を持っていたが、セラピーの中では不満が言えない。しかしニコルソンがサンドラーの恋人を横恋慕したことで、とうとう怒りが爆発し、サンドラーに自分たちの未来を託すのだった。

やってきましたヤンキーススタジアム。二人の姿を探すサンドラー。しかし大勢の観客の中から、二人を探すのは至難の業。しかしサンドラーはニコルソンに、マリサにプロポーズをするための作戦を話している。きっとニコルソンは電光掲示板に彼女へのプロポーズのメッセージを流すよう、依頼しているはずだ。彼はこっそり、管理ルームへとしのびこみ、掲示板の係りのところへいった。彼は係り老人男に、恋人がニコルソンに奪われそうなんだと説明し、二人の座席を教えてもらう。ニコルソンは、メッセージを流した瞬間、二人の姿をビジョンに映し出す演出を依頼していたのだ。

もう、彼は迷わない。いざ、彼女の元へ!。しかしさっき管理ルームに忍び込む際、警備員に見つかってしまい、スタジアムと管理ルームとを結ぶ通路の警備が強化されてしまった。進む手立ては、グラウンドに下りる方面しかない。しかし、今は偉い人のご挨拶が始まろうとしていて、SPがガードしていて降りることができない。しかしサンドラーはSPの中にひとり、見たことがある男を発見した。彼はそのSPに声をかけた。「やぁ、久しぶり。レディ・ギャラクシア!」。その男はびっくりして否定するが、間違いない。仕方なく男は、内緒でサンドラーを、ある通路へ案内した。そこはヤンキース・ブルペン。

グラウンド中央では、お偉い人が挨拶とスピーチを終え、いよいよ「今日のラッキーカップル」を発表しようとしていた。当然のごとくニコルソンが手を回して、「マリサ&ニコルソン」と読み上げられるようになっていた。そのタイミングで、掲示板にプロポーズのメッセージを流し、ビジョンで二人を映し出し、感激と祝福の渦で、彼女のハートはメロメロ・・・という作戦であった。しかし読み上げようとしたその時、ゴ○ラ松井が運転するリリーフカー(実際にはリリーフカーなんて無かったかもしれないが、大目に見てください)が脱兎のごとく、スタジアムの真ん中に走りこんできた。

突然の乱入にざわめくスタジアム。驚くお偉い人。ホームベース付近まできたリリーフカーから、一人の男が降り立った。「サンキュー、ゴ○ラ!。今日の試合、がんばれよ!」。そして男は、お偉い人からマイクを奪い取り、一塁側のベンチの上、10列目をまっすぐ見つめ、叫んだ。「マリサァァァァ!僕はここにいる!」

静まり返るスタジアム。突然の出来事に驚くマリサ。殺気立ち狼狽するニコルソン。TV中継の画面の前では、タトゥーロやポルノ女優たちが、サンドラーを応援し、エールを送る。しかし若いころはアメフトのランニングバックだったお偉い人は、華麗なタックルでサンドラーをぶっ倒し、「ワシのマイクを返せ!」という。サンドラーはSPたちに押さえ込まれ、もがき苦しむ。あやうく退場させられそうになったとき、客席の最前列のVIP席に座っていた男が声を上げた。「彼の話を聞いてあげようじゃないか!」・・・男はジリ○ーニ前市長だった。

マリサはこの時まで迷っていた。もちろんサンドラーのことは愛していた。しかし普段から何事にも消極的で、ちゃんと自分と向き合おうとしない彼に苛立っていた。それでも素敵なプロポーズの言葉をずっと待っていたが、一向にその気配が無い。そこへきて、こんどのセラピー騒動。彼女はもう何を信じていいのかを見失いかけていた。そこへニコルソンの熱烈アプローチ。自分のことを好きだという思いを、ダイレクトにぶつけてくるニコルソンに、気持ちが揺れていた。そしてサンドラーの暴行事件があり、もう自分はサンドラーと結ばれることは無いと、あきらめていたのだった。

SP達から解放されたサンドラーは、まっすぐに観客席の一点を見つめる。視線の先には愛するマリサ。それをさえぎるように、間に割ってはいるニコルソン。「もう、お前は彼女に近づく資格は無いんだ。彼女は俺がようやく見つけた最愛の女性だ。お前になど渡さない!」「それを決めるのは彼女自身だ!」「お前は俺が担当した受講者の中でサイテーの男だ!俺の言うとおりにしていれば、もう少しはマシになったものを・・・」「あんたのセラピーこそインチキだ!。でも、そのセラピーを通して一つだけわかったことがある。それは、自分とちゃんと向き合ってこなかったということ。僕は賢者じゃない。長所だけじゃなく、短所も山ほどある。本当は気が短いってのも事実だし。そんな僕の真実の姿を、僕が気づくずっと以前から、すべて判っていてくれた彼女しか、僕の愛する人はいない・・・。マリサ、一度しか言わないから、よく聞いてほしい・・・君と一緒に永遠に歩いてゆきたい・・・結婚してほしい!」

スタジアムは、凪の海のように静まり返り、三人の動向を固唾を呑んで見つめていた。そしてマリサは、意を決した表情で立ち上がった。「やめろ!行くな!あいつでは君を幸せにはできない!」と止めるニコルソンの手をそっと振りほどき、一段一段、彼女は階段をゆっくり降り始めた。そして最前列のジリ○ーニの横まで降り、彼のマイクを借りて、サンドラーに返事をした。「・・・・・・ひとつ条件があるの。今ここで、あなたからキスをして!」

そのとたん、スタジアムは祝福の歓声で沸き立った!。グラウンドに下りたマリサは、まっすぐサンドラーの元へ駆け出す。大勢の人々が見守る中、サンドラーは優しく彼女を抱き寄せ、熱い口づけを交わす。電光掲示板には<結婚おめでとう!お幸せに!マリサ&サンドラー>という文字が映し出された。掲示板係りの老人の心憎いサービスだ。TVの前では、セラピー仲間たちが、抱き合って喜びを爆発させている。そんな中、一人だけ彼らを憎しみのこもった目で見つめる男がいた。ニコルソンは凄まじい形相で階段を駆け下り、スタジアムに降り立つと、二人めがけて突進していった!「危ない!」とサンドラーが気づいた瞬間、ニコルソンはSP(ギャラクシア)のパンチでKOされていた・・・・・・。

・・・・・・1ヵ月後、教会から一組のカップルが、祝福の拍手に包まれて登場した。もちろんサンドラーとマリサ。結婚式には、セラピー仲間はもちろん、ちょっとくやしい巨根男や、ギャラクシア、それにジリ○ーニまで出席。盛大に執り行われた。ハネムーンはサンドラーのたっての希望で、飛行機はやめて、カリブの船旅に行くことに。おめでとう、サンドラー!おめでとう、マリサ!

一方、ニコルソンは、医師の資格を剥奪され、さらに「あの判事」による裁量の元、「反社会的な行動を抑えるため」に、別の怒り抑制セラピーを受講させられることに・・・。おそるおそるセラピーのドアをたたくと、彼以上に「キテレツ」なドクターが・・・。「助けてくれぇぇぇ!」と今日も彼の叫び声が・・・・。

THE END

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・・・・・・長々と、お付き合いいただいた方、ありがとうございました。どうでしょう、本編よりは「スッキリ」する結末になったんじゃないかと思うのですが、どうでしょう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)jean[*] ころ阿弥[*]

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