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[コメント] オーストラリア(2008/豪=米)

「長い」とも思ったが、飽きなかった。凛としたニコールはいつ見ても美しい。ジャックマンもカッコイイよ。でも、「何かが余計」なんだよね。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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私の生涯映画ランキングのBEST3に入る『ムーラン・ルージュ』。わたしはミュージカル映画の面白さを教えてもらった。そのバズとニコールが再びタッグを組むというので、初めて予告を見た半年前から、ものすごく期待をしていた。でも、見るにあたって、「前作と比較をする」のではなく、まっさらな気持ちで見ようと決めていた。

なるべく先入観を抱かずにいたんだけど、冒頭15分が、結構コミカルな印象だったので(「きゃぁ、カンガルーよ!はじめて見たわ!可愛いわ、ズドン!!」のあたりは大笑いしてました)、予告編の重厚なイメージとは違った、楽しい映画なのか?と思いかけていた。ちょうど『ムーラン・ルージュ』が、予告編からは想像できない大娯楽ミュージカルで、たまげた時のように。

ところが農場に着いて、夫の死を知り、ナラと出会ってからは、そういったものをすべて吹き飛ばす、過酷な試練に立ち向かう。サラという女性が、オーストラリアの広大な大地の中で勇敢に成長をする姿は、見ていて気持ちいい。そしてダーウィンに到着する所で一つのゴールを迎えてしまう。

だがその後が「蛇足」に感じてしまいかねない。前半部分も、後半部分も、どちらも「オーストラリアの歴史」である。はたしてバズはどちらを描きたかったのか、両方なのか? なんだか『パールハーバー』みたいな印象を感じたんだよね、ここで。

もうひとつ余計に感じたのが「キング・ジョージ」。人智を超越したようなスピリチュアルな姿。せめて「孤高のアボリジニ」ぐらいの、身の丈の人物であったならともかく、そこはやりすぎな印象。

気になったのは「悪役」。キング・カーニーという男、こいつが悪の根源かと思いきや、冷酷な商売人ではあるが、「悪人」とは違う紳士的な存在であった。ならフレッチャーが一番の悪党になるんだろうけど、狡猾なイメージとは裏腹に、なんだかいつも詰めが甘い。もうすこし、この男を上手く動かせないかとも思うが、『ダスト』『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズを見る限り、そんなに上手い俳優さんとも思えない。

と、色々書いたが、主演の2人は素晴らしい。ニコールは冒頭の貴婦人姿でも、カウガール姿でも、軍の制服を着ていても、凛として輝いている。そして、今まであまり似合わなかった「母性」を感じさせていた。なんと撮影中に「妊娠」が発覚、ひどいつわりの中、過酷な撮影をやり遂げたそうで。

ジャックマンは、やっぱりかっこいい。この人最近は「悪役」なども軽くこなし、カッコイイだけの俳優たちとは一線を画している。少し前までは「ミスター・オーストラリア」といえばラッセル・クロウだったが、素行の悪いクロウをあっという間に追い越してしまった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)りかちゅ[*]

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