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[コメント] ビール・ストリートの恋人たち(2018/米)

ちょっと賞レースに欲を出してしまった映画に感じた。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ティッシュとファニーの二人の若者の恋物語。そして(白人)悪者警官の策略で引き裂かれる運命。そしてティッシュの家族の活躍と。物語を紡ぐための、いろいろな縦糸に、映像や音楽や演出の横糸。こうして素晴らしい映画が織りあがるんじゃないかと期待していたんだが、なんか私には刺さらなかった。

まず二人の恋物語。じっくり描いていた。いやじっくり過ぎたかもしれない。その分「現在進行形」の部分が割を食った印象でした。ファニーの母ちゃん、姉ちゃんはあれからどうした?いくらティッシュのことが気に入らなくっても、ファニーを救うためには、一致団結しなきゃアカンでしょ?二人は幼馴染なわけだから、子供のころから家族ともども知った仲なんだから、そんな毛嫌いするなら、そんな家族ぐるみの付き合いっぽくはならないと思うし。

そしてどこへ消えた?弁護士。「彼は怒りを覚えた」みたいなナレーションがあったから、彼がもっと奮闘して、裁判で頑張るのかと思ったが、結局それっきりそれっきりもう、それっきりですか?もう一人、途中で出てくる、出所したばかりのファニーのマブダチ。彼はファニーの事件のアリバイ証明にどうかかわっているか、よく判らなかった。本来登場してもおかしくない「逮捕のシーン」「裁判のシーン」がないから、肝心の事件が言葉だけでは判らない。

映像はきれいです。だからなおさら、黒人差別的なものを描いたら、賞レースがついてくると思っていないかな?というように感じた。原題の『If Beale Street could Talk』は、直訳すると「もしもビールストリートが話せたら」。ビールストリートについては、冒頭でテロップでなんか書かれていたが、正直よく判らなかった。「そのストリートが話せたら」、何を話すんでしょうかね?

(評価:★3)

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