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[コメント] CUBE(1997/カナダ)

極限状態の行動心理の追求、というよりは、人智の及ばない法則が司る世界で、結局予定通りの運命をたどる人たち。この図式を楽しむのが正解では?
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







追いつめられた異常心理ということでは、ポランスキーの映画などと比べるとはるかに平板で、ある意味予想通りの本性の露呈を越えないので、それだけ見るともの足りないといえばもの足りない。それぞれが、ごく限定された特徴(過去、職業等)でのみ性格付けられているのので、行動も想像を越える意外性も無く、単純化されてるのも、無理はないと思う。だから逆にその単純化を逆手にとって、図式化した人間関係を、パズルのような世界にうまく噛み合わせた描き方をした、と言ってしまいたい。そう割り切ると、数学映画というコンセプト的には、完成度高しとも思えてくる。

ただ問題は27番目の部屋と精神薄弱(カザン)の存在。これが、人智の及ばないものの象徴を、形にしたものだと思うが、これをゴールがなくて欲求不満になる観客へのサービスと見るか、監督の甘さと見るか・・・。

ちなみにビデオに併録された短編は、えてして急ぎ過ぎの展開だったけど、ラストシーンだけは秀逸だった。

(評価:★4)

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