コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 劔岳 点の記(2008/日)

やはり驚いたのは「仲間たち」という自己主張でのエンドロールでしょうか。それもようやくOO製作委員会といった名称に出てくると右上の「仲間たち」の表示が消える細やかさ。
セント

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







仕事でも、余暇でも、学生生活でも仲間は確かに素晴しい。特に青春時代に何かで同じ方向を見ていた経験がある人はそれがそれからの生きる礎となっている人もいるでしょう。

でもなあ、ほんの少しだけれど唐突感がありますね。何かなあと考えたのだけれど、仕事とはいえ、そして趣味の世界から高じたとはいえ自然と闘い融和するその苦しさ、その喜び、それはただただ素晴しい。だからその苦難の行程を共有した仲間たちから映像を通してエールを送られる、その戸惑い。

映画では、一人ひとりの人生を描いているわけではない。僕たちは「仲間たち」と呼べる人たちの人生の生き様に共感し、感動し、そして「仲間たち」の素晴しさを感得するのではないか、と思うのです。

映画では、人数が多すぎる嫌いもあるのだけれど、個々の人生としての掘り下げはあまりされていない。ドラマがない、と言っているのはないのだけれど、山々の驚くべき映像美にあれほど時間をかけるのであれば、人間像もしっかりと同等に描いて欲しいと思うのであります。

その時初めて「仲間たち」という気持ちが観客とスタッフが共有できるのではないでしょうか。少なくとも僕は観客としてこの映画のスタッフと「仲間たち」であるという意識は持てませんでした。

今日はかなりくさしていますね。ファンの方すみません。この映画全然嫌いじゃないです。むしろ山岳経験を若かりし頃味わったことのある私はとても興味津々とこの映画を見ていました。装備の整っていない時代での山登りの生の姿は感動ものです。時代は過ぎても自然の驚異は変わっていないのです。

また、いつもは気づかなかったのですが、こういうオーソドックスな映画では主役の浅野忠信と松田龍平の発声に少々違和感を感じました。一連の映画ではあの発声方法がとても魅力的だったんですが、、、。

でも、客席満席。立ち見客もあって、先週見た「ウルトラミラクルラブストーリー」とのギャップに帰路悩んでしまいました。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)おーい粗茶[*] agulii[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。