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[コメント] ソラリス(2002/米)

視覚的にもストーリー的にも中途半端。アメリカのSF映画でここまで眠くなるとは・・・。タルコフスキー版の方が観客に対するサービス精神があったというのはいかがなものか。
ジョー・チップ

**ネタバレ注意**
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タルコフスキー版は眠い、退屈と言いながら、結構見せ場が豊富でしたよね、監督本人はソコが気に入らなかったようですが・・・。四季の美しい風景、TV電話(ハイビジョンみたいな横長のブラウン管)、未来都市(劇場では大笑い)、凝りまくった宇宙船内(窓を通して昼夜の変化が分かる)、船内に誰かいる・・・というサスペンス描写、ロケット噴射、美人の奥さん(これ重要)、ソ連の俳優陣の重厚な演技合戦などなど・・・。                                                              本作でこれに替わる楽しみがあるかというと、ない。奥さんこわい顔だし(原作では20歳という設定なんですけど)。そもそもソラリスが海に覆われている、という説明もなく、原作を知らない人に不親切。そのソラリスの描写もCG使ってる割りには淡白で書き割り以上の役目がない。                                                                                             では人間描写に重きを置いてるのだろうか、というとこれも心もとない。クリスが初めてハリーを目撃するシーンを比べても、この異常事態を受け入れる時間があまりにも早過ぎる。人間てそんなものだろうか?                                                     搭乗員のゴードンは石頭の排外主義者、スナウトはただの変わり者・・・人間描写が希薄過ぎ、デイスカッションも盛り上がらない。クリスとスナウトのさり気ない友情、というのもひとつの見せ場なんだけど。スナウトが言う「我々に必要なのは鏡だ。」という重要なセリフも背景にビデオで流されてるだけ、というのもどうか。                                                                         とにかく人間描写にタメがないので、なんでも唐突に始まり、唐突に終わってしまう、早い話がタル版のダイジェスト版。自殺のシーンも盛り上がらない。                                                                             そんな演出でラスト、またあの映画(「シ」で始まるヤツ)と同じパターンですか?どうです意外な結末でしょ、と言われても困惑するだけなんですよ。

当初はこの映画には期待していて、特撮満載で宇宙規模の愛を描いたスペクタクル巨編か、船内に限定した人間の本質を徹底的に描くデイスカッション劇にするか、どちらかでもOKだったんですがねえ。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)水那岐[*]

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