スピルバーグは老若男女に笑いや爽快感をもたらすパワーを未だに秘めている。最近は製作総指揮ばかりで彼のパンチを感じる機会が少なかったが、やはりスピルバーグ節は健在していたのだなぁとつくづく思ってしまった。タッグを組むのがトム・ハンクスということで極度の安心感もあったのだが（笑）、この大仕事は大したもんだ。予告で流れていた『宇宙戦争』が今から楽しみだ。

空港は、様々な人間ドラマが混在する特殊な空間。それもＪＦＫ空港ともなれば、その特殊さは物凄い。ナボルスキーのように多くの人種でごった返していることを始め、再会や別れ、更には笑いがある。「空港以外にどこがあるか？」と言われてもちょっと答え辛い。そんな人間ドラマがナボルスキーの視点によって描かれていく。前半は彼が置かれた状況からか、空港に冷たい印象を受けることができる。しかしながら、いろいろな人間と触れ合うことによって、その冷たさが次第に温かいものへと変化していく。極めつけの見せ場に乏しいものの、終始ほんわかした雰囲気が本当に良い。決して起伏に富んでいなくても映画は成立するのだ。

スゴイ！の決定打はやはり元ネタがあるという事実かな…