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[コメント] オリエント急行殺人事件(1974/英)

色々と端折った本編ながら、随分ダレた展開でがっかり。目新しくないトリックなのは当然で、だからこそ原作当時センセーショナルだった「衝撃」を映像を通じて描くべきじゃないか。ポアロのキャラ・名推理にも、素朴さや輝かしさやが少ない。
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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あのオチは、原作当時からしてみれば前代未聞。「アクロイド殺し」で賛否を巻き起こしたクリスティの作品なのだという点を踏まえれば、この「オリエント急行殺人事件」のオチがいかにずる賢くて、それでいて巧妙なのかが判る。

伏線を張り巡らせた前半〜中盤は良い。何よりも登場人物の微妙な表情の変化は原作ではなかなか味わえない。同時に、原作との差異を見極めたり、何かと楽しんだ(もちろん文庫本を片手に。笑)

さぁここからがいよいよ締め括り。一同が食堂車に集結する名シーン。…のはずだった。やはりというか、悔しくもというべきか、ポアロが名推理を解き明かすシーンの演出が、どれほど難しいのか痛いほど伝わってきた(撮影・演出も大変だったのかも?)。鑑賞する人間をスクリーンに釘付けにさせなければならないし、何よりも舞台が移動せず、しかも殆どポアロの一人喋りなのだから無理もない。これが小説なら、文章に一呼吸置いたり、読者も頭の中を整理しながら内容を把握することが出来る。しかし、これが映画になってしまうと、作品のスピード感覚に合わせるのが非常に難しい。窮屈だし、退屈。それに、あのトリックをもっともっと注目させてほしかった。

アルバート・フィニーのポアロは、ちょっと俺とは合わないようです。イメージと違う…。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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