いやー、良作、秀作。

実話ということでか、それほどドラマティックではないのだけれど、やはり花は美しい。自然は美しい。そして、わざとらしくない友情や愛情、さりげない台詞が心に響いた。それぞれのキャラクターも皆良く、演じるアクターも皆良い味を出していて良かった。（特にファーガス役のデビッド・ケリーとプリムローズ役のナターシャ・リトルがメチャメチャ良い）

弱点は、皆さんも仰ってますように、お話が甘い。

お話が全体的に唐突気味で、重罪を犯した囚人ということが殆ど描かれてなかったので、園芸好きな兄ちゃんたちのお話になっている。犯罪者であることの「暗」と、花を育てることの「明」をもうちょこっと上手く対比させて欲しかった。そうすればもっとドラマティックになったのでは？　

皆さんが「勿体ない」と仰るのは良く解る話です。

しかしながら、そんな弱点は気にならないほどの素晴らしさが詰まってます。何やかんや云っても、英国らしいハイセンス且つ優しいシネマで、上機嫌になったのは間違いないです。

※最後にちょこっと登場したトニーはどうしていたのか気になってしょうがない。