確かに良質な映画でありました。けどね、俺はファンタジー、ほのぼのに徹して欲しかったな。他の人のコメントにもあったけど、食料品店の店主コリニョンに対する軽い嫌がらせはなくてもよかったんじゃない？アメリがプロンプターに教えてもらった台詞を彼に投げつけるだけでよかったよ。愛すべき従業員リュシアンが幸せになるような何かを、アメリがしてあげるだけで俺は気が済むんだけどなあ。ところでリュシアンには何をしてあげたんだっけ？

　これがもし女性の監督なら、ああいった報復は描かなかったんじゃあないかなあ。そんな気がする。しかしそれなら、ジャン・ピエール・ジュネが描いたような独特の雰囲気はかもし出せなかったかもね。

　本当なら３点にしたいところ。けどねマチュー・カソビッツに免じて１点アップしました。彼が監督した『憎しみ』が余りにも素晴らしかったから。彼にこんなところで出会えるとは予想していなかった。今回の彼が駄目だという訳ではないが、彼は役者ではなく監督として生きるべきだと思うのだが。憎しみという映画が、今回の作品と対象的な世界を描いているのもおもしろい。