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[コメント] アイランド(2005/米)

デストピアSFとしてセンスの良さに溢れている。怒涛のアトラクションと化した中盤以降の連綿と続くアクションに(これがまた爽快!)影が薄くなってしまった感はあるが、地下施設での抑制された管理社会の描写があったからこそのカタルシスっていうのもある。やや長尺だが、妥協しない作りに大満足。
クワドラAS

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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クローン人間ならではのユーモアポイントもあるし、主役二人に脇を固める面々もベストマッチ、地下施設と地上の別世界ぶりも上手く描き分けてる。そして一番良かったのは、アクションの連打を楽しみながらも、クローン製造についての是非・そして近い将来似たような企業が必ず出てくるのではないか、と絶えず考えていた事だ。もし俺が顧客だとして、いや顧客じゃなかったとしても、実際にあの企業の秘密を知った時には非常に複雑な気持ちになるはずだ。臓器一つならまだしも、クローン人間による出産は女性ならずとも旦那さえ素直に喜べるはずがない。あの出産し終えすぐさま殺される女性クローン、次の場面では誕生した子供を笑顔で迎える夫婦。このシーンはちょっと鳥肌が立った。

終始クローンである二人の視線で展開していくのが、同じ年代を舞台とするブレランと逆だが、向こうはハード・ボイルド、こっちはファッショナブル。両極端に見えるが、クローン人間(レプリカント)の自我という点では同じ。まあブレランを比較の対象にするんじゃねえと怒られるかもしれないが、本作も文句なしに面白いぜ。

(評価:★4)

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