幼少期からゴジラ(オレが子供の頃のゴジラはいいもんだったのでキングギドラやメカゴジラとか)をはじめ帰ってきたウルトラマンやスペクトルマンやらに出てくる怪獣達の街破壊シーンを浴びるように観ていた影響なのか、ど中年になった今でもたまに街や山に怪獣が現れて「ヤバ！マジかよ！逃げろ〜」な夢をみる(笑) 成人してから観た初代ゴジラの、ドーンという地響き、そして山の向こう側から姿を現すシーンを目の当たりにした時は「ああ、これって夢で見てたような出現の仕方だ」と思ったものだ。正にこの登場の基礎は後の様々な怪獣達のDNAに受け継がれて行ったのだろう。

で、本作のゴジラはというと、初登場は白亜紀のティラノサウルスほどの大きさで動きがスピーディー。通常、監視員がライトで照らし「ん？どこなんだ！何か気配はあるのだが、、、」みたいに一呼吸おいての登場かと思ったらいきなり至近距離にいて襲いかかってきたのはなかなかやるなと。夢でも無かったパターンだった(笑) 巨大化してからの獰猛さも申し分なく、機雷掃海挺に覆い被さり瞬滅させたコモドドラゴンのような柔軟な攻撃姿勢を見せたと思えば、巡洋艦高雄の真下に潜行&閃光の芸術的とも言える破壊神ぶり。そして口に咥えた機雷の爆破や自ら放射能火炎(今はなんと呼ぶのか？単に熱光線？)を吐いたあと少なからず身体にダメージを負い、しかし急速に細胞修復するその絶対生物的な恐怖感。もうこの時点でこいつには勝てないと思わされてからの、、、満を持しての日本上陸、そして銀座。初代ゴジラにリスペクトな大暴れはヤバいヤバいヤバいの壊滅力。「クイズ タイムショック」張りの背鰭がインジケーター化したような光線発射態勢もまた良かった。

だが、人間側も黙っちゃいない。クライマックスのゴジラ殲滅作戦でのベタな、いやベタベタな勇姿を見せながらゴジラのテーマ♪がかかるところは燃えた。正直、人間ドラマパートはステレオタイプど真ん中で新鮮味もなかったが、むしろ結果的にそれだから良かったとも思った。だって特攻した主人公も爆風でやられた彼女も皆生きていたっていう最幸の予定調和。本作の分かりやすい「生きろ」というテーマ。時代背景として戦後間もないまだ混沌としていた日本に必要悪として登場し、ある意味パラレルとして日本人の大和魂を垣間見せてくれたゴジラ、、、最恐でもあったし最高だ。また、直近のシンゴジがゴジラvs国(政府)なのに対し本作はゴジラvs民間(そして個人)にフォーカスしてるのが個人的には好みだった。現在におけるクソ政府にもう期待などしてられっか！な、民衆よ立ち上がれ的なノリもね。

あと、エンドクレジットには確か乗ってなかったと思うけど、銀座襲来のワンシーンで橋爪功出てたよね。

「トップガン マーヴェリック」を観た後に受けた満足感にも似た至福の２時間だった。子供連れの家族でも楽しめるエンタメ映画として完成度高い。