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[コメント] チャーリーとチョコレート工場(2005/米=英)

原作のことはよく知らないが、間違いなくティム・バートンの映画になっているところはさすが。これだけのビッグネームでありながら、まだまだ伸びしろがあるのも、これはまたすごいことだ。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







■チャーリーと彼の家族がとてもしっかりと描かれていて、それだけで幸せな気分になった。特におじいちゃん、おばあちゃんがいい。突然踊り始めるジョーおじいちゃんは勿論だが、他の3人の素晴らしさも映画全体に膨らみを持たせた。「お金は毎日作られるが、金のチケットは5枚だけ」のシーンは泣ける。そして、そんな貧しいけれど幸せな家族の象徴であるあの傾いた家がまたいい。あと、歯磨き粉のキャップで作ったチョコレート工場の模型もグッド。こういうものをサラッと見せてくれるからティム・バートンはやめられない。

■工場内については、最初に出てきた大昔のディズニーランドのアトラクションのような「滝」のシーンにはちょっと安っぽさを感じて引いてしまったが、そういった思いもウンパルンパの登場とあの魅惑的な? ダンスの中に消えていき、いつの間にかその世界に引き込まれ、むしろそれを楽しんでいる自分があった。

■ただ、ジョニー・デップに関しては、少しでも彼のカッコよさを求めて劇場へ足を運んだ人には、今回の役作りはちょっと辛かったのではないかと思う。原作を知らないから何とも言えないが、ウィリーの髪型を含めたあのセンスはやや行き過ぎの感がした。ジョニー・デップその人の芝居自体は1作ごとに凄さを増しているだけに、その辺りの作り過ぎがいかにも惜しい。もちろんそれが原作に忠実であろうとしてのことなら、致し方ないことなのだが。

■原作と言えば、チャーリーが拾ったお金で最後のチョコレートを買うというくだりだけには、やはりちょっと引っかかるものを感じた。菓子屋の主人とチャーリーとの関係(描き方)が良かっただけに、本当に惜しい。まぁこれも原作に忠実であろうとしてのことだろうから、致し方ないことなのだが。

■けれど、そこまで原作に忠実でありながら、あえてウィリーと父との再会という原作にない部分(らしい)を撮り足したのは正解だったと思う。説得力が出たし、ティム・バートンがいよいよ大人の作家になってきたことを実感できて嬉しくもあった。

(評価:★4)

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