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[コメント] 日本春歌考(1967/日)

様々な対立図式が示されているのだが、それを『日本の夜と霧』のような難解な政治用語じゃなく歌によるバトルで描く手法が面白く、アンゲロプロスにも影響を与えたはず。後半になるにつれ理解不能な次元に突入していく破綻気味の展開が堪らない。
太陽と戦慄

吉田日出子が歌う「満鉄小唄」のいかにもな唐突感や、469番と呼ばれる田島和子の歌唱シーンの異様さなど強烈な印象ではあるのだが、とにかく一つ一つの歌が持つ背景とか意味とか作品内では何も説明してくれないのだから不親切な映画には違いない。少なくとも、この作品を最初に見た時私は一つも意味が分からなかった。まあ今見ても全然よくは分からないし、当時の左翼思想なんかあんまりピンとこないのだが、それでも本作の歪さには不思議な魅力を感じる。全編尖ったショット満載でかっこいい。また、林光の音楽の貢献もかなりデカいと思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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