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[コメント] 明治天皇と日露大戦争(1957/日)

くぅ〜天皇陛下! ビクンビクン
ペンクロフ

史上はじめて天皇を登場させる映画で、新東宝のくせに(失礼)壮大な戦争パノラマ超大作、東宝より早い総天然色シネマスコープ作品(スタンダード版も同時製作)。これらによって制作の余裕がなかったためだろう、非常に脇の甘い、日本人の心性を無防備にさらけ出した映画になっていると感じた。

軽々に戦争に踏みきらぬ天皇ステキです。仁丹マークみたいなアラカンの鉄の顔面。秘めたる内心は御製(天皇が詠んだ和歌)で表現。出征する兵隊が家族と別れを告げるのを、皇居から見ている天皇(なぜだ)。兵隊の苦労を思って、夏なのに冬服を着続ける天皇(なぜだ)。

史実でも脚色でもなんでもいいんだが、徹底して「陛下のお気持ち」を軸に戦争が描かれる。こういうのって何なんでしょうね、スゲー気持ち悪いですね。203高地では虫のように兵隊がバタバタ死んでる。皇居では天皇が夏に冬服着てると配下の政治家どもは「くぅ〜陛下! 尊すぎます!」 ビクンビクン(絶頂)。天皇で抜いてんだ。お前ら本当にクソ野郎だよ… 本当に気持ち悪いよ…

想像した権力者像を内面化して、催眠術にかけられたようにアリガタヤー状態でバッタの行軍の如き大量死へと向かうことができる日本人特有の精神性が、けっこう無自覚に描かれています。みんなで死のう日本人。怖い映画だと思うけど、本当に怖いのは映画じゃなくて日本人だよな。あとこの映画のしょぼい海戦を見て、やっぱり円谷英二の特撮だけは最高だった『日本海大海戦』を久々に観たくなりました。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)寒山拾得[*] ぽんしゅう

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