「女の子が弟子になれた」ところで物語が終わるとは思わなかった。あのあとの師弟がどう生きていくかを描いた映画だと（観る前には）思っていたのだ。『赤毛のアン』で、アンがグリーン・ゲイブルズに置かせてもらえるようになったところで物語が終わるようなものである。ダイアナもギルバートもまだ出てないぜ。芸の世界で「女弟子」というのは、そんなにありえないものなのだろうか。エンドロールには「え、もう終わり？」と思ってしまった。

いわゆる「京劇」は北京の演劇で、この映画の舞台である四川省には「川劇（せんげき）」がある。顔面早変わりは、「川劇」の重要な見せ場になっている芸だ。しかし芝居から独立した形で、変面芸だけを見せる大道芸人がいるとは知らなかった。オレが思うにあの芸だけを単独で見るよりは、芝居の物語の中で観たほうが絶対に面白いと思う。おじいちゃん、観音さまの一座に参加してもよかったと思うな。