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[コメント] デス・プルーフ in グラインドハウス(2007/米)

面白い部分と退屈な部分が、水と油のようにはっきり分離した作品
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ビッチ女のゆるいダンスだとか、スタントマン・マイクを追い詰める気がまったくない警察官による(いくらでも深刻に語ることができる題材なのに)あの異常者に関するゆるい解説だとか、前半と後半で展開がまったく異なるところとか、唐突に終わるラストだとか、随所に見られるタランティーノっぽいとしか言いようのないシーン群は好きだ。

しかし、90年代のタランティーノ作品は、本筋とはまったく関係ないにもかかわらず、「ライク・ア・バージン」の解釈とかアムステルダムの話とかくだらない話の内容がおもしろかったが、本作のくだらない話は魅力に乏しい。むろん、『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』を焼き直す必要はないのだが、あのときの魅力にとって代わるほど面白いものが満載かというと、そういうわけではないようだ。その後の展開への伏線として退屈を敢えて狙っているのだとしても、やっぱり退屈なものは退屈でしかなくあらゆるシーンが魅力的だった90年代タランティーノ作品を懐かしく思ってしまう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)t3b[*] X68turbo[*] けにろん[*]

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