シックスセンスの長所はフレキシビリティを持っているところだろうか。つまり観客は映画から様々な感情を引き出される可能性がある。例えばホラー映画の要素あり（途中から部屋の電気をつけて観てしまった、エクソシストに類似していると思う)、感動話の要素あり（この映画ならではの感動）、推理もの、そしてどんでん返しの要素ありだ｡

後半から徐々に幽霊が見えてくるのは、ウィリス（幽霊を見ることの出来ないもの）が幽霊であることを考慮に入れないのならば、カメラがウィリスの視点から変化していくオスメントへと平行移動しているためだろう｡

しかしそれらは全て主演二人によるストーリーに収斂されている。確かに粗探しをしようと思えばいくらでもできるが、巧く映画をまとめた監督は力量があるかもしれない｡十分な雰囲気描写やしっかりとしたストーリーに引き込まれた｡オチが全てではなく映画全体を楽しめる完成された作品。