[コメント] 砂漠の花園(1936/米)
あの砂漠や宗教観が嘘だろうと、私はぜんぜん気にしない。アッラーもゴッドもいる砂漠の中で、カラーのディートリッヒ様。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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シャルル・ボワイエが無口で鈍くさそうで奥手な修道士役ぴったり。いつも何かを言いたげで、こっちが「言っちまえよお」と言いたくなる。まあ、ディートリッヒ様相手だから言葉を飲み込んじゃうのかもしれないけど。それをむやみに探らずじっと待つドミニ。いい女はそうガツガツしてはいけないんですね。
ステキな衣装を着こなす大人の女、ドミニ。私にとってはもうまったくとおおぉぉ〜い世界の人であるけれど、そんな彼女がラストシーンで、ハンカチをくしゃくしゃにして顔を覆い、「早く出して!」と叫ぶ。鉄面皮で、無言で、小さい声で「早く出して」でもいいけれど、その方がディートリッヒ様らしいかもしれないけれど、私はこっちの方が好き。言いたいことを言えなかったのは二人とも同じ。それをついに我慢し抜いたドミニの、感情の爆発。大人のいい女だって、顔をくしゃくしゃにして泣くらしい。ただ涙が頬を伝うだけじゃないらしい。少し無様ですらあるこの時、ちょっとだけ彼女とおこちゃまな私の距離が縮まったかもしれない。
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