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[コメント] 家庭(1970/仏=伊)

 アントワーヌ・ドワネル、大人になる(ちょっと遅いぞ)。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 あのキョウコさんの変な部屋や、風変わりな着物(モダンなのか?)、そして何より怒りのクリスティーヌ。これはコメディということで、何もかも「とても楽しいギャグのひとつ」ということで納得してしまいました。アハハ。バカだバカだ。

 相変わらずのドワネル君。子持ちになっても変わりなし。女なら結構「私ひとりだったのよ」と言いたくなるときがあるよ。有給取って、花でも持って、急いでお見舞いに来てよ!と言うより会社休んでよ!でもぐっと我慢。ここんとこがわからないところ、今までと同じ。「男はいつまでも子供なんだから」というトリュフォーの法則そのまま。

 浮気をしても相手を絞め殺すほど恨んだりしない。子供がいてもつなぎ止められない自分を責める彼女。でももうこれ以上の女が嫌でアントワーヌを応援する彼女。戻ってきて欲しいけど、それが言えない彼女。まだ愛してるから何としてもつながっていたい彼女。だから黙って付いていてあげるクリスティーヌ。せつないねえ。

 あの電話のシーンは、はらはらしちゃったよ。別れた奥さんに「彼女と気まずい、どうにかしてくれ!」なんて、許し難いな。涙をぐっとこらえつつ聞いて、相談に乗ってあげる彼女。子供が寝たばっかりだし、育児で疲れてるはずなのに、12時過ぎまで電話口で待つ彼女。愛あればこそだよ、ほんと。ついに言葉が出なくなる。こらえきれなくなりそうになる。そこにやっと気付いたアントワーヌ。あんたもやっと相手を気遣うようになったのね。電話のあと、彼女きっと泣いてたよ。

(評価:★5)

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