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[コメント] レイニング・ストーンズ(1993/英)

 ケン・ローチの映画にしては、厳しくもなく、熱くもなく、「甘い」おはなしになってしまった。それがちょっとマイナス。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 自分の娘の洗礼式のために男は必死。友人の娘が薬をやっていることを知ってしまって、よせばいいのに首を突っ込み仕事をフイにする男。

 いつでも仕事のない男、税金を払わない男、車を盗まれてしまった男、高利貸しに手を出してしまった男。決して余裕があるとは言えないのに、周りに目を向けられるのは、宗教のせいだろうか?だとしたら捨てたもんじゃないね、キリスト教。

 そんな男に監督が与えてしまったたささやかなプレゼント。これは「ああやっちまった」の領域に感じる。淡々と進んでいくから、そして最後に「警察がきたあ」と緊張するから、なんだかほっとすると同時に、気が抜ける。「そんな良いことあるの?」と思ってしまった。いつも「目を向けること」で優しさとリアリズムを追求していた(ような気がする)人なのに、実際に手を出しちゃうことで、希望はあれど、「リアル」がどっかへ行ってしまったような気がした。

 そういう反応する人がいるかもしれなくても、それでもこうしたかったのか?監督にも、「これはあんまりだ」というレベルがあったのか?見ているだけじゃどうしても我慢ならなかったのか? そんなにもこの監督は熱く優しい人なのか、とかそんなようなことを考えてしまった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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