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[コメント] ピンポン(2002/日)

何もかもを思い出させて、何もかもをわからせる。この映画だけが、2002年夏のすべての匂いをさせてくれる。いつまでも。
ALPACA

本でも、ライブでも、演劇でも、そのなかの、本当に少ない幾つかのものだけは、自分の出来事を思い出させる。そして、今の自分の居場所を照らし出させてくれる。そして、どこかへ、向かって走ろうとすら思わせる。

そう。少なくとも映画館にいる時は。スクリーンに向かって座っている間は、指を握り締め、あの頃を激しく想い、哀しがる。叶えられなかったこと。あきらめたこと。伝えられなかったこと。それでも、今ここにいることをわからさせられる。そして、映画館から熱い夏の外に出たあと、伝えられなかったことを伝えようとし。あきめていたことや叶えられなかったことを思い出させ、もしかしたら、どこからか力をもらって、もう一度走ることもできるかもしれない。とか、そんなことを思い込んでしまう。そんな、すてきな人がきっといる。

松本大洋の描くヒーローは、誰もが持っていて、誰もが呼ぶことが出来るんだ。 そして、それは自分でもあるのだから。

と、まだこの映画を見ていない、あなたがそうなりますように。 そして、この映画を見たあなたも、そうなりますように。

らぶ&らいす

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)Santa Monica ルッコラ Linus[*]

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