[コメント] ア・フュー・グッドメン(1992/米)
個と国家
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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一方で「個(国民)」の自由を重んじるアメリカ。
他方で「国」への忠誠心・愛国心を重んじるアメリカ。
個の尊重か、国の安全保障か?
この映画は、あえて安易な答えは出していない。いや、最終的には「個」を選んでいるわけだが、それを観客に押し付けるようなやり方ではない。むしろ、ジャック・ニコルソン演じる軍人の迫力ある演説を聞いて、アメリカ人であれば、「お前ならどう考える?」と問題を突きつけられている感覚になるのではないだろうか。
こういった映画で観客に問題提起をできるのはアメリカならではだろう。問題へのこの映画の答えの是非は置いておくとして(というよりどちらか一方を「選択する」という問題ではない)、その点は少し羨ましい。
蛇足だが、この映画、時代によって受け止められ方も違ってくる気がする。この映画が撮られたのは、ソビエト崩壊の翌年、つまりアメリカ的民主主義に基づく「一つの世界」という幻想が(特にアメリカ人の間では)まだ現実視されていた頃でもある。安易にではないにせよ最終的に「個」に軍配をあげたこの映画が、当時のアメリカでなかなかの評価を受けたのは、そういった時代背景もあるような気がする。
今ならどうだろう。
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