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[コメント] スプリガン(1998/日)

〈JAP‐ANIMATION〉ジャップ・アニメーションと呼ばれるべきファッキンなアニメーションが、お高くとまったクリエイターから一時期量産された。本作はその筆頭に書き加えられるべき大駄作だ。その根拠は…
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







1.キャラクターの魅力のなさを爆発・崩壊・殺戮シーンで誤魔化している。

日本の漫画は、世界に類を見ない特異な進化を遂げた。それがデフォルメを効かせた漫画キャラの演出をリアリティをもって行なうという手法だ。この映画のように、ありえない髪型・目の大きさなど日本漫画のお約束ごとを敢えて捨て、その実スーパーリアルにも徹することのできないアニメは、いきおいリアルなスペクタクル場面で誤魔化すより他はない。そして、その方法であれば実写テイストのCGに負けるのは判りきっている。つまりは、資本のない日本映画界のハリウッドへの敗北宣言そのものがこの作品なのである。

2.語られるストーリーは陳腐極まりなく、それを中途半端なトリビアで誤魔化している。

この物語のストーリーといえば、マッドサイエンティストのとっちゃん坊やが気まぐれで地球人類を粛清せんとし、それを正義の超人が阻む、といった思い切り時代遅れなものだ。多くの劇映画はテーマが貧弱である場合、人間同士のドラマを絡ませて最悪の結果を呼ばぬようにするものだが、こうしたジャップ・アニメは違う。武器やメカニックの専門馬鹿的な解説、あるいは神話・伝説の中途半端な知識を披露して物語の神話化を図るのだ。この場合は洪水伝説であるが、もうその程度の知識をひけらかしても誰も驚いてくれなんかしない。強化服の設定もいずれは笑われるだろう。そう、トリビアは日進月歩の、つねに賞味期限に追いかけられる哀しいマラソンなのだ。

ともあれ、この手のお粗末なジャップ・アニメが駆逐されることを、日本の漫画映画を愛する者のひとりとして切に願う。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)てれぐのしす[*] ガリガリ博士[*] ホッチkiss[*]

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